人間の血液の流れは、外界の環境にも左右されます。
特に影響が大きいのは、気温です。
気温によって、血圧や血流など様々な面で人間の体内環境は変化します。
そして、心筋梗塞の症状もまた、気温によって出たり出なかったりします。
心筋梗塞の症状が出やすいのは、寒い日です。
気温が低くなると、血管は収縮しやすい傾向があります。
そのため、寒い日にはどうしても発作が出やすくなります。
これに関しては、部屋を温めたり、たくさんの衣服を着込んで温めたりするしか予防法はありません。
できるだけ身体を冷やさないようにすることも、心筋梗塞対策となります。
気温だけではなく、身体に触れるものの温度も重要です。
意外と心臓発作を起こす原因になりやすいところとして、トイレが挙げられます。
トイレで冷たい便座に腰を落とした瞬間に発作が起こるというのは、実際によく起こっているケースです。
これは、温度差という心臓に負荷のかかりやすい状況が原因となります。
近年では便器を温める機能が付いたものが普及しているので、心臓の弱い高齢者等がいる家庭では導入の検討をお勧めします。
マンションなどで便座の交換ができない場合は、必ず便座カバーを使用しましょう。
また、トイレではもうひとつ心筋梗塞を引き起こす要因が存在します。
それは、いきみ過ぎです。
排便のために思いきりいきむと、血圧や心拍数が上昇して心臓に負荷が掛かってしまい、結果的に激しい運動をするのと同じような状況になってしまうのです。
そうならないためにも、食物繊維を多めに摂ったり、水分の摂取をこまめにしたりして、便が出やすい体内環境を作るように心がけましょう。
心臓にとって大敵と言える存在。
それが、タバコと睡眠不足です。
これらは単純に、人間の身体に非常に悪影響を与えるものであり、中心である心臓にも当然悪い影響を与えます。
まず、タバコに含まれる成分の中で心臓に悪影響を及ぼすのは、ニコチンです。
ニコチンは、体内における「カテコラミン」というホルモン分泌を促進する効果があります。
カテコラミンが分泌されると心拍数が上がり、血管が収縮します。
当然心臓への負担が大きくなる上血管の閉塞につながり、心筋梗塞の症状が出やすくなります。
タバコにはニコチン以外にも様々な化学物質が含まれており、その多くは身体に悪い物質です。
タバコはお酒と違って適量ならOKということはなく、吸えば吸うほど心臓にも悪いと言われています。
動脈硬化、高血圧など数多くのトラブルをはじめ、狭心症、そして心筋梗塞へとつながる原因となる可能性が十分にあります。
睡眠不足も同様に、心臓に対してかなり負荷を掛けてしまう原因となります。
睡眠には、疲労を取り除き、ホルモンバランスを整えるという役割があります。
これができないと人間は疲労を溜めてしまい、その結果として血圧が乱れ、動脈硬化の要因となり、心筋梗塞の症状が出る要因を作ってしまうのです。
こうしたことから、禁煙や十分な睡眠を取ることは、心筋梗塞の予防につながります。
特に禁煙に関しては、それまでずっと何十年もタバコを吸ってきた人でも手遅れということはありません。
きっぱりと止めれば、心筋梗塞のリスクを下げることができます。
人間の血液の流れがよくなるための方法には、入浴が挙げられます。
入浴することで血行が促進され、身体中の血管に良い効果を与えます。
そういう意味では、入浴はそれ自体が心筋梗塞の予防と言えます。
もしも軽い胸痛などの症状が出た場合は、入浴することで治まる場合もあります。
ただし、入浴に関しても一定の注意は必要です。
逆に、入浴が心筋梗塞の症状を引き起こす可能性もあるからです。
入浴には「温度差」がつきものであることがその理由です。
心臓に負担が掛かるのは、激しい運動、そして温度差なのです。
何の準備運動もせず、いきなりプールに飛び込むと、心臓にかなり負担が掛かります。
場合によっては、心臓麻痺を起こす人もいます。
それは、突然冷たいプールに入ることで体内に大きな温度差が生じるためです。
反対に、身体が冷えている状態でいきなり熱いお湯に入っても、同様に心臓に負担が掛かります。
特に、冬場には起こり得ることなので注意が必要です。
脱衣場で服を脱ぎ、しばらくそこにいてからいきなり熱くしたお風呂に入れば、心臓に対しての負荷がどうしても大きくなってしまいます。
これを予防するためには、脱衣場を温めておくか、お風呂のお湯の温度をある程度低くしておくと良いでしょう。
できれば、湯温は40度以内に抑えておくことをお勧めします。
熱すぎるお湯は血液にもよくないと言われており、心筋梗塞の症状を引き起こす要因にもなります。
入浴で心筋梗塞の予防をする場合は、お湯の温度に細心の注意を払いましょう。
規則正しい生活を送る上で、できれば毎日実践したいのが運動です。
心筋梗塞の症状が出る人の多くは、運動不足、あるいは全く運動をしないという生活習慣の中で発症しています。
逆に言えば、運動が心筋梗塞の予防につながるということです。
運動をすることで、人間は心肺機能の向上、血圧の低下、コレステロールの減少など、様々な恩恵を受けます。
よって、心筋梗塞だけではなく、様々な病気の予防にもつながります。
そういう意味では、運動をするに越したことはありません。
ただし、運動は同時に心臓にも負担をかけるという点には注意が必要です。
特に高齢の方にいえることですが、運動というのは継続性と同時に「無理をしない」ということが非常に重要です。
しかしながら、中にはいきなり激しい運動をしようとしてしまう人がいます。
そうすると、逆に心臓周辺の血管がダメージを受けてしまう可能性もあるのです。
場合によっては、運動が心筋梗塞を発症する引き金になることもあります。
実際、心筋梗塞は運動中に症状が出ることが多い病気です。
心筋梗塞を予防するための運動をする上で頭に入れておきたいのは、運動の程度は軽めで良いという点です。
たとえば、散歩や階段の上り下りでも十分なのです。
大切なのはそれを最低でも30分続けること、そして毎日行うことです。
有酸素運動は、いくら激しい運動でも10分程度では脂肪の燃焼にはつながらず、血液中のコレステロール等も改善されません。
重要なのは、「時間と継続」なのです。
ある程度、実際に心筋梗塞になってしまった場合の治療法や対処法を学んだところで、今度は予防に関して目を向けてみましょう。
やはり、心筋梗塞のような大病は、いくら医療技術が発達しているとはいえ、誰もがなりたくないものです。
死亡原因としてトップクラスの数を誇る恐ろしい病気であることを考えれば尚更です。
できることなら、症状が出てからの対処ではなく、症状が出ないような予防方法を学び、それを実践しておきたいところです。
心筋梗塞の予防は、特別難しいことでも、お金がかかることでもありません。
基本的には、日常生活の中に違和感なく組み込めるものばかりです。
そもそも、病気を予防する上で最も重要なことは、規則正しい生活を送ることに他なりません。
朝早く起き、夜も早めに就寝する。
一日三食をしっかりと食べ、栄養バランスを考えたメニューにする。
これだけのことでも、十分な予防になります。
それに加え、食事面でさらなる予防を考えるなら、血液がサラサラになる作用のあるものを多めに摂り、ドロドロになるものを避けるようにします。
たとえば、緑茶やレモンのような、コレステロールの酸化を抑えるものは積極的に献立に取り入れることをお勧めします。
一方、脂肪を多く摂りすぎることは危険です。
統計上、心筋梗塞を発症する人は肥満体型の人が多いと言われています。
それだけ、肥満になりやすい食材は、同時に血液をドロドロにしやすいということなのです。
食事面における心筋梗塞の予防は、メタボリックシンドローム予防と重ねて考えて差し支えないでしょう。
心臓病は、少なからず重い病気であることは間違いありません。
たとえ心筋梗塞の前の段階である狭心症であっても、ある程度は覚悟を持って治療にあたる必要があります。
命の危険はないとしても、適切に治療を行わなければ、将来はどうなるかわかりません。
診断された時点で、しっかりと認識を持って治療に臨む必要があるでしょう。
ただ、やはりそこで気になるのは先立つもの。
つまりは医療費です。
いくら心筋梗塞の症状に悩まされ、治療をしたくても、自分の貯金より大きい額の治療費が必要となれば、どうしようもありません。
心臓の治療や手術を受けるとなると、非常に高度な技術を必要とするため、どうしても医療費がかさみます。
また、かなり多くの検査も行われるため、そこでも費用が発生します。
多くの人が、心筋梗塞の症状が出ても病院へ行かない理由のひとつと言えるでしょう。
しかし、幸いにも心筋梗塞は健康保険が適用されます。
また、高額医療制度による上限が設定されているので、極端に高額な費用は必要ありません。
たとえばバイパス手術を行わなければならない場合、手術費用は400?500万円にもなります。
ですが、健康保険の適用により3割の自己負担となるので、実際には120?150万円の出費で済みます。
それに加え、高額医療制度により一定以上の額の場合は確定申告や勤務先での年末調整の際に申告すれば戻ってきます。
そのため、治療費が心配な場合は、高額医療制度のことを説明して親類に借りるなどすれば良いでしょう。
あらゆる病気に対して言えることではありますが、症状の深刻さを物語る上で、「手術」というキーワードは非常に大きな意味を持ちます。
患者の多くは、手術をしなければならないと宣告された場合、事の重大さに気付くでしょう。
そして同時に、落ち込む人も少なくありません。
手術自体に対する不安や懸念もありますし、自分がそのような治療をしなければならないほど悪い状態なんだという現実に打ちのめされるという心境も、少なからずあることでしょう。
ただ、ひとつ覚えておいて欲しいのは、手術による治療は最悪の場合の選択肢ではないということです。
回避できるものなら回避したいという人も多いでしょうが、手術によって根本的な治療を行えることは、決して悪いことではありません。
心筋梗塞の手術は、主に「冠動脈バイパス手術」が行われます。
問題となっている冠動脈に対してバイパスを作り、血液が流れる他の道を作ることで閉塞した血管の先にも血液を流すという方法です。
どうしても閉塞した血管の回復が難しい場合、あるいは緊急を要する場合、カテーテル療法を施しても再発してしまう場合に行わる手術です。
冠動脈バイパス手術は、身体の他の部分から取り出した血管を使ってバイパスを作ります。
難しそうな手術に思えますが、基本的には安全性が高く、成功率も95%以上と十分な症例がある手術なので、恐れる必要はありません。
手術時間は4?5時間程度、入院期間は2?3週間になるのが一般的です。
手術は心筋梗塞の進行具合と現在の症状を見た上で患者と医師が話し合い、双方合意の下で行われます。
カテーテル療法は、カテーテルを使用した心臓病ならではの治療法です。
カテーテルというのは直径2mm弱の細い管で、これを身体の静脈のある部分から血管に挿入し、そこから冠動脈の中で問題となっている箇所まで管を通し、直接治療を行う治療法です。
カテーテル療法は非常に種類が豊富で、症状による選択肢が多くあることから、現在の心筋梗塞におけるスタンダードな治療方法のひとつと言えます。
カテーテル療法には、「経皮的冠動脈形成術」「冠動脈内ステント」「経皮経冠動脈血栓溶解療法」「大動脈内バルーンパイピング法」といったものが主に挙げられます。
経皮的冠動脈形成術は「PTCA」とも呼ばれる治療法で、先端にごく小さなバルーン(風船)をつけたカテーテルを閉塞している血管の近くまで通し、そこでバルーンに圧力を加えて膨らませ、血管を広げる治療法です。
冠動脈内ステントは、「PTCA」のバルーンにステントという金属製の網状の筒を取り付けることにより、血管を補強しつつ治療できる方法です。
経皮経冠動脈血栓溶解療法は「PTCR」とも呼ばれる治療法で、冠動脈内に血栓溶解剤を直接投与する形で行うものです。
大動脈内バルーンパイピング法は、バルーンによって心臓のポンプ機能を補助し、血流を回復させる治療です。
これらの治療法にはそれぞれメリット、デメリットがありますが、トータルでのメリットとして、入院期間が短くて済むという点が挙げられます。
手術ではないので身体にメスを入れることもなく、すぐに退院して社会復帰が可能です。
手術による傷跡ができない点も、特に女性にとっては大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、症状によってはカテーテル療法自体が適用できないケースもあります。
また、心筋梗塞の治療法としてはまだ歴史が浅く、確実性という点で不透明なところも否定できません。
薬物療法は、狭心症の段階で行う治療法です。
特別な方法というわけではなく、ほとんどの病気に対する治療で薬を使うのと同じように、薬物によって発作を抑え込み、症状の改善を図るというスタンダードな治療法です。
狭心症に限らず、心筋梗塞においても少なからず薬は使用するので、基本的にはほとんどの人が該当する治療といえます。
心筋梗塞の薬物療法に使用される薬には、硝酸薬、β遮断薬、カルシウム拮抗薬などがあります。
硝酸薬はニトログリセリンに代表される血管の拡張作用のある薬で、発作を抑えるための薬として常に携帯することになります。
発作が出た際に服用するとすぐに効果が出る即効性のある薬ですが、予防には使用できず、また持続効果も30分弱と言われています。
β遮断薬は、心臓の働きを抑えて仕事量を少なくする効果のある薬です。
そしてカルシウム拮抗薬は、冠動脈の痙攣を抑える作用があります。
薬物療法のメリットは、即効性が高く、すぐに効果が出るという点です。
また、薬を使用しているという安心感も得られます。
根本的な治療ができるわけではありませんが、治癒の段階において症状を止めたり、治癒を助けたりする効果は十分に期待できるでしょう。
デメリットは、他の病気との兼ね合いで使用できない薬が出てくるという点です。
もし喘息持ちの人がβ遮断薬を使ってしまうと、かなり厄介な事態になってしまいます。
また、他の病気で使用している薬との兼ね合いもあります。
問診の際にはそういった点も注意し、現在抱えている病気があれば必ず医師に伝えることが重要です。
病院へ行き、実際に心筋梗塞、あるいは狭心症であるという診断が下された場合は、そこからは治療を行っていくことになります。
基本的に治療は病院が行うものであり、治療方針は担当医の判断に委ねられます。
そのため、詳しい治療法を患者側が覚える必要は必要ないでしょう。
しかし、現在の症状に対してはどのような治療方法があるのか、それぞれの治療法にどんなメリットとデメリットがあるのかということを知っておけば、説明を聞く際により理解が深まり、治療に専念することができます。
また、場合によってはセカンドオピニオンを仰ぐ判断材料のひとつとなる可能性もあります。
医師の提示した治療法が、果たして現在の自分の症状に対して適切なのかを判断する上でも、狭心症や心筋梗塞の治療方法に関しては、ある程度知識として入れておくべきでしょう。
心筋梗塞の治療方法には、主に「薬物療法」「カテーテル療法」「外科療法」「生活療法」があります。
薬物療法は薬を使って心筋梗塞の発作を抑え込むもので、最もスタンダードな治療法といえます。
カテーテル療法は心筋梗塞ならではの治療方法で、カテーテルを冠動脈内に挿入して治療を行うものです。
外科療法は手術を施して問題箇所の改善を図るもので、生活療法は日常生活の中で食事や運動を行い、症状を緩和、改善していく治療法です。
狭心症の段階では、通常は薬物療法が行われます。
ただ、狭心症であっても症状が進行している状況で、心筋梗塞へ移行する可能性が高い場合には手術が採択されることもあります。
心臓カテーテル検査やCT検査など、心筋梗塞を診察する上では様々な検査が重複して行われるケースも少なくありません。
心筋梗塞という病気は、それだけ大変な病気なのです。
しかし、検査が仰々しいからといって、不安になることはありません。
血管の閉塞や血栓は、場合によっては非常に特定が難しいこともあります。
そういう意味でも、検査を入念に行うべき病気なのです。
そして、そういった各種検査を終えた後でも、同じことが言えます。
実際に診断が下される際に気をつける点。
それは、とにかく落ち着いてその結果を聞くことです。
場合によっては、想像以上の悪い結果が出ることもあるでしょう。
特に、心筋梗塞と宣告された場合は、冷静でいろという方が難しいかもしれません。
心筋梗塞で死亡した人の数を考えれば、その不安は当然です。
しかし「心筋梗塞=死」というわけではありませんし、実際のデータを見ても生還した人の方がはるかに多いのです。
特に、意識のはっきりした状態で検査を受けている人は、すぐに命の危険があるというケースの方がずっと少ないのです。
元々、心筋梗塞という病気の症状は、即座に命の危険につながるものではありません。
心筋細胞の壊死は、致死事由ではないのです。
心筋梗塞によって心臓が弱り、機能が低下した状況で合併症が発生した場合は命の危険に晒されてしまいますが、血管が詰まったからすぐに死ぬというわけではありません。
もちろん、非常に重要な血管が完全に詰まってしまった場合は、非常に危険な状態になります。
しかし、それ以外の血管であれば死の危険は決して高くはないのです。
同じ心筋梗塞でも閉塞した血管の部位によって、症状はもちろん、命のリスクも大きく変わってきます。
心筋梗塞という診断が下されても、まずは冷静に医師の説明を聞きましょう。
心臓カテーテル検査も、心筋梗塞の検査のひとつとなります。
これは、太腿の付け根、腕などの血管から「カテーテル」と呼ばれる細いチューブを挿入し、心臓まで通して心臓部の血管を調査するという検査方法です。
説明だけの印象だとかなり怖い検査に思えるかもしれませんが、局所麻酔を行うので痛みを感じることはほとんどありません。
心臓カテーテル検査の中でも、特に心筋梗塞の検査としてよく行われているのは「冠動脈造影検査」です。
冠動脈までカテーテルを進め、そこで造影剤と呼ばれる薬を注入してレントゲン撮影をして心臓の状態を調べる検査です。
冠動脈造影検査は、狭心症や心筋梗塞の確定診断をする上では非常に重要な検査と言われています。
通常のレントゲン撮影では骨は映りますが、血管は映りません。
そのため、基礎検査の段階で行われるレントゲン検査ではわからない血栓や血管の狭まりなどの症状をしっかりと確認するためには、冠動脈造影検査が必須となるのです。
狭心症や心筋梗塞の症状が色濃く出ていると判断された場合は、高確率で冠動脈造影検査が行われます。
ただし、この検査はある程度規模の大きな病院でないと環境が整っていないケースもあるので、冠動脈造影検査が可能かどうかを確認しておきましょう。
心臓カテーテル検査と冠動脈造影検査は、検査の時間自体はあまりかからず、30分もあれば終了します。
ただ、心臓カテーテル検査を受ける当日は、検査前まで何も食べないようにしなくてはなりません。
誤って食事をしてしまわないよう注意しておきましょう。
心筋梗塞や狭心症などの心臓病は、生命を維持する重要な臓器だけに、かなりナイーブな診断が行われます。
そのため、様々な検査を行い、その総合的判断の下で、心臓に異常があるかどうかの判断が下されます。
そのため、基礎検査や心電図検査以外にもいくつもの検査があります。
たとえば、プローブという超音波発信機を用いる「心エコー検査」という検査があります。
プローブを胸に当て、高周波数の超音波を心臓へと発信させます。
そして、それに対して返ってくる波、すなわち「反射波(エコー)」を受信することで、心臓の状態を調べる検査です。
そのため、「心臓超音波検査」と呼ばれることもあります。
心エコー検査(心臓超音波検査)の特徴は、心臓の詳しい状態を確認できる点にあります。
エコーによって心臓を立体的に検査できるので、単純な平面図というわけではなく、心臓そのものの状態がリアルにわかります。
大きさ、形、弁の位置や状態、血流の状態など、心臓に関する様々な情報が得られる方法です。
症状がどの位置のトラブルで発生しているのか、かなり詳細まで特定できるメリットもあり、安全性も高いことから近年多くの病院が行っている検査方法でもあります。
心筋梗塞の発見に対し、非常に高い精度を誇る検査といえます。
症状が出ているのになかなか問題の箇所がわかりにくい場合は、CT検査を行います。
CT検査は、よく医療ドラマのワンシーンで目にする機会も多い有名な検査方法ですね。
輪切りにしたような断面図をコンピュータ断層撮影によって撮影し、人間の身体を立体的に解析するというものです。
基礎検査以外にも、狭心症や心筋梗塞に関する検査はいくつか行われます。
問診で疑わしいと判断された場合はこれらの検査を行い、実際に狭心症や心筋梗塞などの症状が出ているか、あるいは症状がどの程度進行しているかを明確にしていくのです。
比較的軽い胸痛がある場合、まずは狭心症が疑われます。
その際によく用いられる検査方法には、「運動負荷試験」が挙げられます。
これは、胸痛が特定の場合に起こるというケースで行われる検査です。
心筋梗塞ではないと判断され、緊急性を要さない場合に用いられます。
運動負荷試験という検査は、運動をして身体を動かした場合に心臓に異常が現れるという症状を抱えている人に対して行われます。
心電図の電極をつけている状態で軽い運動を行い、その際の心電図の動きを見るもので、運動が発端となる発作は、この検査によって判明します。
運動負荷試験には、いくつかの検査方法があります。
最もポピュラーなのは「マスター階段昇降」です。
踏み台の上り下りを反復する有酸素運動を行うというものです。
マスター階段昇降の検査では、運動前、運動直後、そして運動2分後、運動3分後の心電図をとって調べます。
どの段階で心臓に異常が現れるかを図るためです。
このように時間で行う検査を「ダブル」と言い、他にも1分30秒まで行う「シングル」や4分30秒まで行う「トリプル」があります。
一般的に行われるのは「ダブル」です。
この他にも、「トレッドミル法」や「自転車エルゴメーター」等の検査方法もあります。
心臓病と呼ばれる、心筋梗塞などの病気全般に対する検査として最もよく知られているのは、やはり「心電図検査」でしょう。
心臓の状態を確認する上で、心電図検査は最も有効であり、且つ高い確実性を持つ検査方法です。
よって、心臓に何らかの症状が生じている人は、この心電図検査を受けることになります。
心電図検査は、心臓のメカニズムを利用した検査です。
元々心臓という器官は、洞結節という部分で発生する電気信号を心筋に伝達させることで拍動しています。
そのため、その電気信号を検査することで正常かどうかを判断できるのです。
心電図検査の際には、まず安静時の心電図をとります。
通常時には症状が出ていない場合でも、まずこれを基本的な心電図として比較対象とするために、ベッドで横になっている状態の心電図をとります。
この検査自体は3分程度で終了します。
ただ、これだけでは異常はわかりません。
狭心症のように、ある一定の条件下でしか発作が起きない場合は、安静時には心電図は正常であることが多いためです。
そのため、この検査を終えて安静時心電図に問題がない場合は、ホルダー心電計を使用します。
ホルダー心電計は身体に付けられる携帯用心電計で、これをつけたまま24時間、いつも通りの生活を行い、日常のどんな場面で心電図に異常が生じるかを検査します。
この検査によって、心筋梗塞の症状が現れた際の心電図はもちろん、自覚症状が薄かったり、全くなかったりする状態で心臓に異常が生じているケースも発見できます。
基本的に、症状が重くても、あまり重くない場合でも、病院にいった際にはまず問診を受けます。
初診時における重要な診察なので、聞かれたことには正直に答えるようにしましょう。
特に、心筋梗塞の前の段階である狭心症の場合、問診で診断されるケースが多数を占めます。
つまり、問診がしっかりと行われないと、狭心症の症状を見過ごされてしまう可能性もあるということです。
もちろんその後に詳しい検査は行いますが、狭心症を疑うような項目が問診の段階でなければ、全く異なる検査が採択されることにもなりかねません。
とはいえ、これが致命的な状況を生み出すケースになることは少ないので、そこまで問診の受け答えに過敏になる必要もありません。
問診によって狭心症や心筋梗塞が疑われた場合には、詳しい検査が行われます。
基本的には、「血圧測定」「血液検査」「尿検査」「レントゲン検査」「眼底検査」などです。
これらの検査は基本検査なので、大抵の場合は行われます。
逆に言えば、心筋梗塞の検査を受けに行き、全く別の病気が発覚する可能性もあるのです。
そういう意味では、健康診断であるとも言えます。
そう考えれば、病院へ行くハードルも低くなるのではないでしょうか。
各検査は、多くの人が一度は受けたことがあるものばかりです。
血液検査は、チューブを腕に巻いて注射で血液を採るというものですね。
尿検査は尿の摂取、そして検査。
レントゲンにしても、大抵の人は受けたことがあるでしょう。
眼底検査は、瞳孔を広げる薬を使って眼底の網膜にある動脈を見る検査です。
病院へ行くケースは、必ずしも心筋梗塞の症状が悪化した場合とは限りません。
むしろ、症状がまだ弱い段階で行く方が、あらゆる意味で得策です。
狭心症の段階で病院へ行って治療を受ければコストも少なくて済みますし、何より命に関わるリスクが最小限で済みます。
そういう意味でも、ちょっと不安に感じた場合は、健康診断という意識でも良いので、病院へ行って診察を受けてみることをお勧めします。
比較的症状が軽い段階で診察を受けに行く場合でも、まずは予約を入れる必要があるでしょう。
基本的に大きな病院の場合は予約が必須です。
いきなり病院へ行くと、場合によっては診察も受けられないということが十分に考えられます。
あらかじめ電話を入れ、いつ行けば良いかということを確認しておけば、待つ時間も最小限で済みます。
診察を受ける際に気をつける点は、あらかじめ必ず聞かれることに対しての受け答えを固めておくことです。
医者の前では少なからず緊張する人が多く、問診の際に頭が真っ白になって、しっかりと受け答えできないという人もいるからです。
問診は診断を行う上で非常に重要で、この答えによって検査の内容が変わることもあります。
しっかりとした受け答えができる自信がない人は、「これまでの病気の履歴や通院歴」「家族の心筋梗塞や他の心臓病の有無」「服用中の薬」「飲酒や喫煙の有無」等の答えをメモなどにまとめておきましょう。
これらの質問は必ず行われるので、あらかじめ用意しておけばスムーズに回答ができます。
自己診断により、狭心症や心筋梗塞の症状が出ているのでは…?という疑いを持った場合、病院へ行くことになります。
ただ、その病院をどこにすべきかという点で迷ってしまう可能性があります。
実際、病院ならどこでも良いというわけではありません。
まして、症状が強く出ている場合は、あまり余裕のない状態で病院を選ぶことになります。
その時に判断を下すのは得策ではありません。
あらかじめ、自分がどこの病院へ行くべきかをしっかりと調査しておきましょう。
まず、心臓をちゃんと診ることができる規模の病院であることが、心筋梗塞の診断や治療を行う上での必須項目となります。
心臓の専門医がいることも重要です。
心筋梗塞は心臓の病気なので、心臓病を専門にしている医師がいる病院に行くのがベストです。
もし自宅の近くに心臓病の専門病院がある場合は、そこを優先する方が良いでしょう。
施設の充実度や心臓病に対する実績が一定以上の病院が複数ある場合、今度は費用の問題も比較対象となります。
当然、安いに越したことはありません。
あらかじめ、診察料から手術代まで、どれくらいの金額が必要なのかを各病院とも調べておきましょう。
ただ、心筋梗塞のような一刻を争う、命の危険が極めて高い病気の治療を行う上では、コストよりも施設やスタッフの質を重視すべきです。
基本的には健康保険の適用内ですし、自己負担額にも上限があるので、ビックリするような出費になるケースはそうありません。
あまり治療費のことは気にせず、できれば実績を重視し、いざという時に行く病院を決めておきましょう。
狭心症や心筋梗塞という病気は、早期発見が非常に重要となってきます。
特に心筋梗塞に進行してしまうと、助からない可能性が飛躍的に上昇してしまいます。
この病気の死亡率が高いのは、既に助かりようがない状態で病院に運ばれるという状況が極めて多いためです。
特に、急性心筋梗塞で亡くなるケースが多く、それを事前に防ぐ事が最重要課題となります。
心筋梗塞で死亡するという最悪のケースを防ぐためには、狭心症の段階で食い止めるということが大切です。
そのためには、自己診断が重要となってきます。
つまり、病院へ行くかどうかの自己判断です。
それには、狭心症のシグナルなのか、ただの胸痛なのか、というところを見極めることが必要となって来るでしょう。
狭心症や心筋梗塞の症状は、他のいくつかの病気と重複している部分があります。
たとえば、急性大動脈解離や胸部大動脈瘤破裂などが挙げられますが、これらの場合も大病なので、これらと心筋梗塞を迷うということに意味はありません。
いずれにしても病院直行コースです。
問題となるのは、胃痛や急性肺炎など、比較的軽い病気の場合です。
特に気胸や肋間神経痛と誤ってしまうケースが多いですが、このケースが最も危険です。
これらの病気の場合は病院へ行くほどではないというのが実状で、それと間違ってしまうと、狭心症や心筋梗塞のシグナルが出ていても、病院へ行かないという状況が生まれてしまいます。
こういった病気と狭心症、心筋梗塞の明確な症状の違いはありません。
ただ、肋間神経痛のような、刺すような痛みが一瞬起こるだけというケースは、比較的可能性は低いと考えられます。
ある程度の時間痛みが続く、あるいは定期的に痛みが生じるという場合は要注意です。
ひと言で心筋梗塞と言っても、その種類は様々です。
そして、その分類方法も複数存在しています。
まず、時間による分類があります。
たとえば、発症から72時間以内の時点における心筋梗塞を「急性心筋梗塞」と言います。
つまり、症状が現れているうちに酷くなっていったわけではなく、いきなり心筋梗塞になった場合です。
急性心筋梗塞は、非常に危険な状態です。
それ以外では、72時間から1ヶ月までの期間における心筋梗塞を「最近の心筋梗塞」、1ヶ月以降を「過去にあった心筋梗塞」というような分類の仕方をします。
次に、壊死した部分による分類方法です。
心筋梗塞になると、高確率で血管が詰まった先の部分が壊死します。
そして、冠動脈の病気である以上、壊死する部分は心臓の一部である可能性が極めて高く、その位置によって名称が変わってきます。
たとえば、心臓の筋肉の壁が内側、外側共に壊死している場合は「貫通性梗塞」となります。
内側のみの壊死だと「非貫通性梗塞」です。
そして、血管閉塞部における分類もあります。
どの血管が詰まったかによって分類する方法です。
この場合、心臓の前方部なら「前壁梗塞」、横なら「側壁梗塞」、下なら「下壁梗塞」、背面なら「後壁梗塞」等というような名称になります。
また、その箇所によっては「前壁中隔梗塞」等のように、より具体的な名称になります。
尚、これらの分類によって症状に差異は生じますが、危険性が大きく変わることは少なく、分類に関係なく病院での治療は必須です。
死に到る病であり、日本人の死亡率でもトップクラスに位置する心筋梗塞。
当然、できる事ならその症状が出る前に予防しておきたい病気です。
発症率を完全に0%にするというのは難しいかもしれませんが、リスクを軽減させることは十分にできます。
そのためには、まず心筋梗塞になる原因を知っておく必要があるでしょう。
原因さえわかれば、それを回避することで予防が可能となります。
まず、心筋梗塞の定義は、「血管による閉塞」「冠動脈の痙攣による閉塞」「血管の乖離、動脈瘤などによる閉塞」といった事由によって、血管が詰まり、血液がそれより先に流れなくなった状態を指します。
つまり、血管の閉塞というのが症状の中心です。
この症状が起こる原因は、血栓を生み出してしまう原因と同義と考えて良いでしょう。
血栓ができてしまうメカニズムとしては、血液の中に脂肪などの不純物がまざり、血液がドロドロしてしまう状態が慢性化し、それがプラークとなって、血管の内側に付着するという状態が第1段階となります。
そこからさらにそのプラークが繊維化し、巨大な塊となっていくのが第2段階です。
そして、その巨大化したプラークが血管の閉塞、あるいは剥がれて血管を流れ、ある箇所で詰まってフタをしてしまうという状況が第3段階、そして心筋梗塞の発症ということになります。
つまり、血液に脂肪などの不純物が大量に混じり、ドロドロになってしまうことが心筋梗塞の原因なのです。
胸の痛みが発生した時点で心筋梗塞を疑うこと自体には、何ら問題はありません。
ただ、この公式だけを頭に入れておくと、場合によっては取り返しの付かない事態になってしまうこともあります。
というのも、心筋梗塞の症状は、必ずしも胸痛だけとは限らないからです。
心筋梗塞は、100%胸の痛みが生じる病気ではありません。
ほとんどのケースで大きな痛みが生じますが、場合によっては痛みがないこともあります。
こうした心筋梗塞は、「無痛性心筋梗塞」、もしくは「無症候性心筋梗塞」と呼ばれています。
胸の痛みがないからと言って、軽度の心筋梗塞というわけではありません。
痛みがない原因は、患者の身体にあります。
高齢、あるいは糖尿病など、他の病気によって痛覚に異常が生じている場合などには、痛みを伴わない可能性があるのです。
また、ちょっとした痛みを感じるけれど耐えられないほどではないという症状もあり得ます。
狭心症の段階では無自覚で、心筋梗塞に進行した場合に小さい痛みを覚えたというパターンも、高齢者を中心によくあるようです。
無痛性心筋梗塞、無症候性心筋梗塞といった心筋梗塞は、全体の2?3割を占めています。
決して少なくはありません。
このような症状の異なる状況で心筋梗塞を見極めるのは、非常に困難を極めます。
予防、対策としては、定期的な健康診断、心電図の検査などを行うという方法しかないかもしれません。
日頃から、心筋梗塞に対する検査はしておいた方が良いでしょう。
誰しもが、心筋梗塞になどなりたいわけはありません。
ただ、様々な要因で発病してしまう可能性は誰にも否定できません。
どれだけ健康管理に気を配って、規則正しい生活をしている人でも、大きな病気を抱える危険はあるのです。
心筋梗塞も、残念ながらその範疇の病気と言えます。
そこで重要となるのは、心筋梗塞かどうか疑わしい状況を事前に覚えておき、実際に自分の身に起こった際に素早い対応ができるようにしておくということです。
もちろん、狭心症の段階でそれができればベストですが、なかなかそうはいかないというのが実状です。
心筋梗塞の症状や、その症状が出やすい環境を覚えておき、冷静な判断を下せるようにしておきましょう。
心筋梗塞が起こり得る状況というのは、基本的には「全ての時間」です。
それこそ、眠っている最中に突然…ということも十分にあり得ます。
一日の中で特に発作が出やすいのは、身体が活動を始める9?10時頃、あるいは1日の疲労がピークに達する19時?22時あたりと言われています。
そして狭心症と同じく、寒い日にも起こりやすいという傾向が見受けられます。
血液が詰まりやすい環境や時間帯に、心筋梗塞の発作は出やすいのです。
もしもこれらの状況で強い胸痛などの症状が発生したら、躊躇なく救急車を呼びましょう。
仮にそれが勘違いだったとしても、決して悪いことをしたわけではないので気に病む必要はありません。
心筋梗塞は1分、1秒を争う大病です。
ケアは確実に、過敏なくらい行うようにしなければなりません。
狭心症から心筋梗塞に病状が進行した場合、その症状は劇的に変化します。
まず、胸の痛みの度合いが変わります。
狭心症は鈍痛と表現できる痛みなのに対し、心筋梗塞の痛みは「胸をえぐられるような痛み」と形容されるほどの激痛が走ります。
非常に強い痛みで、まず耐えられるものではありません。
しかも、その痛みが30分以上、時には数時間、半日と続くこともあるようです。
さらに、汗を大量にかく、呼吸困難、意識の混濁や消失、不整脈といった症状も出てきます。
ひとつ厄介なのは、これらの症状も時間が過ぎれば消えるという点です。
痛みの度合いは激しいのですが、永続的な痛みではないため、しばらく様子を見て痛みが治まれば、大丈夫だと自己診断してしまうケースが多々あるのです。
また、狭心症の段階でその病気の存在を知らず、慢性的に胸痛が発生するのを「持病」と自己判断してしまっている場合も大変危険です。
心筋梗塞の症状をその延長と勝手に判断し、大丈夫だと決め付けてしまう人もいるのです。
こうした傾向は、特に仕事を休みにくいサラリーマンの人たちに多く見受けられるようです。
心筋梗塞の症状が出ている段階で、それでも病院へ行かないとなれば、死亡率は大きく跳ね上がります。
そしてもうひとつ厄介な点として、心筋梗塞になると意識が保てなくなる可能性があるということもあります。
あまりの激痛で意識を失ってしまうと、よほど運がよくない限りは助かりません。
周りに誰も助けてくれる人がいなければ、意識を失う前に自分で病院へ連絡しなければなりません。
そうならないよう、狭心症の疑いがある段階で病院を受診するようにしましょう。
狭心症の症状はある程度はっきりとはしていますが、それが狭心症のシグナルと気付かない人も多いと言われています。
その一番の原因は、鈍痛であるという点でしょう。
人間が危険性を感じる症状は、「刺すような痛み」と形容される瞬間的な強い痛みです。
耐えられる程度の痛みであれば、どうしても放置されがちになってしまいます。
狭心症の症状は、まさにその典型ともいえます。
そんな狭心症を放置し続けていると、次第に病状が悪化していきます。
既に冠動脈内部が狭まっている状態で、さらにそこで血栓が生まれたり、他の箇所の血栓が流れてきて詰まったりした場合は血栓ができてしまい、血液の流れがストップしてしまいます。
これが、心筋梗塞です。
心筋梗塞の恐ろしい点は、血液の流れが鈍ったり弱くなったりするのではなく、完全に止まり、その先に血液が届かなくなってしまうということです。
それがどういう状態を引き起こすのかというと、簡潔に言えば「死」です。
細胞に血液が行き届かないと、酸素や栄養が身体の各所に行き渡りません。
そうなると、その部分は壊死してしまいます。
それが内臓であれば、当然命に関わります。
人間の身体は、血液なしでは生きていけないようにできているのです。
狭心症から心筋梗塞に進行すると、明らかに症状が変わります。
これを見逃せば、確実に命の危険に晒されるでしょう。
心筋梗塞の症状をしっかりと頭に入れておき、そのシグナルにいち早く気付くようにしましょう。
胸痛が起こった場合、心筋梗塞の前兆でもある狭心症を疑う必要があります。
とはいえ、胸が痛いから必ずしも狭心症とは限らないのも事実です。
そうしたこともあり、狭心症の症状が出ても病院へ行かない人が多いようです。
特に、胃の痛みと勘違いする人がかなり多く、放置されやすいという現状があります。
激痛や刺すような痛みではなく、比較的鈍痛に近い痛みであるという症状の特徴も、狭心症が放置されやすい原因かもしれません。
狭心症の発作か、それ以外に原因がある痛みかを見分けるひとつの方法に、狭心症の発作の発端となりやすい状況を知っておくというものがあります。
つまり、狭心症が出やすいシチュエーションを知っておく、ということです。
そうすれば、実際に胸に痛みが走った際に「この痛みは狭心症の可能性が高い」と判断しやすくなるでしょう。
狭心症の発端となりやすい状況は、主に運動時です。
たとえば、普段はあまり持たない重い荷物を持っている際、あるいはジョギング中、階段や坂道を登っている途中、などといった場合に発作が起こりやすいと言われています。
特に多いのは、突然走り出したり、身体にいきなり力を入れたりした時です。
そこで急に胸が痛み出したら、必ず狭心症を疑うようにしましょう。
狭心症の発作は、再現性が高いと言われています。
たとえば、ジョギングをしていて10km走った時点で一度発作が起こると、次に10km走った際にまた同じく発作が起こる、というケースが多く見受けられるということです。
また、環境面でも一定の傾向があり、寒い日や午前中には、血管が収縮しているために発作が起こりやすいと言われています。
こういった状況や環境で心筋梗塞の症状である胸の痛みが発生した場合は、なるべく早く病院へ行くよう心がけることが大切です。
狭心症は、急性心筋梗塞のように「発作が起きた時点で死亡する可能性がある」という病気ではありません。
つまり、突然死の要因事由というわけではないのです。
ただ、心筋梗塞の呼び水であることは確かなので、症状が出た時点で病院へ行くことを強くお勧めします。
早期に対処するためには、どのような症状が狭心症に該当するのかということを知っておく必要があります。
狭心症の症状は、「発作が起こる」というのが特徴的です。
つまり、頭が痛い、熱があるなどの症状がジワジワ発生するというわけではなく、突然身体に異変が現れるという類の症状となります。
具体的な症状としては、胸の中央部からみぞおちにかけた範囲において、痛みが発生します。
その痛みは人によって感じ方が異なりますが、「圧迫されるような痛み」「締め付けられるような痛み」「息が詰まるような痛み」といった表現がよく用いられています。
つまり、ズキンと刺すような痛みではなく、どちらかというと鈍痛に近い痛みとなります。
神経痛とは明らかに異なるので、症状としてはわかりやすい部類かもしれません。
痛みの度合いも個人差があり、必ずしも同じ程度とは限りません。
耐えられないほどの痛みを感じる場合もあれば、あまり感じない、もしくは我慢できる範疇で治まる痛みもあります。
つまり、痛みの度合いで症状の進行具合を図ることは、危険ということになります。
痛みを感じた時点で、病院で診断を受けるようにしましょう。
発作の持続時間も、数十秒から数十分までと人によってまちまちです。
ただ、30分以上の間、痛みが続くということはまずありません。
もしも長時間治まらない場合は、心筋梗塞に進行している可能性が高いようです。
狭心症は、心筋梗塞の一歩手前の状態と考えて差し支えありません。
狭心症になった人全てが心筋梗塞への可能性を秘めた状態と言っても良いでしょう。
ただ、心筋梗塞だけではなく、それ以外の病気に発展したり、併発したりする可能性もある、非常に怖い病気です。
心筋梗塞の手前の段階だから安心かというと、そういうわけではないので注意しておきましょう。
狭心症の定義は、簡単に説明すると「動脈硬化の進行により冠動脈の血液の流れが悪くなっている状態」です。
つまり、動脈硬化が進行した場合に起こる病気のひとつなのです。
そういう意味では、動脈硬化と心筋梗塞も、切っても切れない関係ということになります。
狭心症の定義に含まれている「冠動脈」というのは、心臓に血液を届けている非常に重要な動脈です。
酸素や栄養を運搬している血管の中でも特に重要とされる部分であり、心臓とつながる血管ということで、その負担もかなり大きい箇所と言えます。
そういう意味では、比較的傷みやすく、詰まりやすい血管と言えるのかもしれません。
だからこそ、注意が必要な病気と言えます。
狭心症には、「安定狭心症」と「不安定狭心症」とがあります。
これは主に症状で分類し、発作が起きてから治まるまでの症状や時間が毎回類似している場合は「安定狭心症」、発作の回数や症状の重さなどが一定ではなく、ランダムになっているケースが「不安定狭心症」となります。
また、この他にも「労作性狭心症」と「安静狭心症」、「冠動脈硬化性狭心症」と「冠攣縮性狭心症」等といった分類がなされます。
高い死亡率を記録している心筋梗塞。
その恐ろしい病気を解析していく上で、「狭心症」の存在は無視できません。
心筋梗塞について調べていると、必ずこの病気の名前も目にすることでしょう。
中には、心筋梗塞と狭心症をセットにしているサイトも少なくないのではないでしょうか。
似たような症状の病気をまとめるケースというのはよくあります。
ですが、この二つの病気に関しては、そういう理由だけで一括りにされているわけではありません。
「心筋梗塞」と「狭心症」は、同じ病気と考えて差し支えないのです。
ただ、呼び方が違うというだけのものではありません。
狭心症が進行し、さらに悪化した状態になると心筋梗塞になります。
つまり、狭心症は心筋梗塞の一歩手前の症状、ということになります。
これが何を意味するのかというと、心筋梗塞を予防するためには、狭心症の段階で症状を見極め、病院へ行き適切な治療を受ける必要があるということです。
いきなり心筋梗塞になる「急性心筋梗塞」という病気が存在することは事実ですし、この急性心筋梗塞が最も死亡率が高いのも確かですが、多くの人は、狭心症から心筋梗塞へと段階を踏んで症状が進行していきます。
そのため、狭心症の段階で食い止めれば、心筋梗塞になる前に治療が可能となるのです。
狭心症は、心筋梗塞の予防を考える上では、必ず知識にいれておかなければならない病気です。
その症状や発端となる原因、症状が現れるシチュエーションなどをしっかりと頭に入れておき、万一の時にはすぐに対応できるようにしておきましょう。
死に到る病として世界的に最も恐れられている病気は、恐らくはガンではないでしょうか。
日本においてもそれは例外ではなく、病気による死亡要因として最も多いのはガンで、それはもう何十年と続いています。
そして、そのガンに次ぐ死因となっている病気は「心筋梗塞」です。
心筋梗塞は、ガン、脳卒中と共に「三大疾病」と呼ばれ、最も死亡率が高い病気のひとつとして定着しています。
この三大疾病は、保険等でも別格の扱いを受けるほど日本の中にあって特別な病気、命を落とす可能性が高い病気という扱いを受けています。
ガンと比べると、心筋梗塞の認知度や関心度は決して高くないのが現状です。
特に、心筋梗塞は急性に対する懸念が強く、突然死の代名詞のような認識が強いようです。
そのため、予防ができない病気と思われがちになっている分、関心があまり高くないのかもしれません。
ですが、心筋梗塞は急性だけではありませんし、予防できないわけでもありません。
シグナルとなる症状が出れば、病院へ行って検査をしてもらい、未然に防ぐことも可能です。
にも関わらず、心筋梗塞の症状に関する知識も、あまり一般的に広まっているとは言いにくいのが現状なのです。
日本では病気による死亡件数第2位であり、全死因の約15%を占めている心筋梗塞。
死亡率が高い病気であると同時に、初期の段階で適切に対応できれば、助かる可能性が高い病気でもあるのです。
しっかりと学び、予防に努めましょう。